さらりとな。日々の暮らしで出逢ったアレコレ。

大抵のことは上手くできないけれど、前向きです。

ナカムラケンタ著「生きるように働く」


ナカムラケンタさんの著書「生きるように働く」がおもしろい。

 

現在運営している求人媒体、「日本仕事百貨」を立ち上げるまでの

ストーリーだ。

 

私達が仕事を選ぶ時、求人情報誌ハローワーク

調べて、企業名や仕事の内容、給与に赴任先、

そして福利厚生など、まずはどんな条件かを見るだろう。

  

 

だがナカムラケンタさんは、そんな条件よりも、

まずはそこで働いている人の「思い」を

丁寧に取材することから始まり、そこで働いた時の自分が

イメージできるように伝えてくれる。

 

その取材がとても自然で感じがいい。

 

子供の頃、お父さんの仕事の関係で何度も転勤し、

初対面の人ともすぐに打ち解けることができるようになったそうだ。

物おじせず相手と向き合う。

その距離感の取り方や、場に馴染む雰囲気というか、

人を惹き付ける人柄を、著書に感じる。

 

それは、仕事の紹介の仕方にも表れている。

 

「いいことばかりを書かない」

 

仕事を立ち上げる上でお手本にしたという不動産会社から

このことを学んだナカムラケンタさん。。

ネガティブなこともしっかりと伝える、

そんな求人広告は一見タブーのようにも思う。

だが、「企業の本音を理解してくれる人」というのが

一番その会社に合っている人ではないか、とひるまない。

 

そして

「それでも仕事の大変な部分などの修正を求められるならば、

掲載をお断りすることにしている」と潔い。

 

本当に知りたいことに近づける——

そんな魅力のつまった日本仕事百貨。

 

自分達の時代にこの一冊があれば、

就職活動は全く違ったものになったに違いない。

 

自分は何をしたいのか、何になりたいのか、

そんなことを突き詰めて考える間もなく、

「ところてん」のように押し出され

社会人になっていったような気がする。

 

今は時代が違う。働き方も随分と変わった。

だが、新卒採用の就職活動は昔と同じ、

皆、似たようなリクルートスーツを着て、

慣れない靴を我慢しながら履いて、急いでいるように

見える。

 

そんな人にこそ、この一冊を読んでほしい。

今ちょっと立ち止まっている人にも。

 

「生きるように働くとは」

今、自分がどうしたいか、問続けていくだけだ。

何か興味があることがあればやってみる。やってみてからまた考える。

よければ続けるし、また新しいことに挑戦したくなるかもしれない。

生きているということはそういうことなのだろう。

生きている間は、すべて自分の時間なのだから。

 

この言葉に、インタビューで感じた自然体が重なる。

きっとこれからも様々な試みで私達を驚かせ、楽しませ、

勇気を与えてくれるだろう。 

 

さわやかな風のような緑色の装丁、開けば新しい何かが始まるかもしれない。

 

f:id:sararitona:20190223221452j:plain 右のしおりは出版元「ミシマ社」のもの

 

ナカムラケンタ 「生きるように働く」

出版社 ミシマ社