さらりとな。日々の暮らしで出逢ったアレコレ。

大抵のことは上手くできないけれど、前向きです。

広島「Grande ひろしま」

広島には「Grande ひろしま」という季刊誌がある。

初版は2013年春、以来年に4回、3月、6月、9月、12月の各月1日に書店に並ぶ。

 

初めは表紙の写真に惹かれ、何気なく手にした。

開くと「大切に守り伝えたい『いいもの・いいこころ』を

広島から発信します」と記されている。

 

そして

日々の暮らしのなかにある季節感、祭りや行事など

その土地ならではの風土や文化、伝統、

地域の人々が大切に伝えてきた知恵や技、

かけがえのない自然…

 

私たちが無くしてはならない

大切なことばかりです。

次の世代へしっかりと

手渡したいことばかりです。

この地に暮らす喜びと誇り、

そして新しい発見を

皆様にお届けしたいと思います。

 

と続いていた。

 

地域に根差した雑誌は数多くあるが、思いのこもった言葉に、

独特の熱意が伝わってくる。

 

読み応えのある記事とその場の雰囲気をダイレクトに伝えてくれる

写真にも魅了され、それ以来のファンである。

 

2018年12月に発売された冬号の特集は

「新しい年に。あなたに伝えたいこと」だった。

間もなく終わる平成を前に、戦前戦後の激動の時代から今日までを

元テレビプロデューサーの小畑和子さんの視点で語られている。

印象深かったのは、戦後を生きてきて被爆の話はしてこなかった、ということ。

戦後70年を経ても尚、開くことのできない心の内を垣間見た気がして

切なくなった。

戦争を知らない私達が、これからの世代に何をどう伝えて行けばよいのか、

果たして伝えて行けるものなのか、冬号の一冊を通して考えさせられた。

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2019年3月1日発売の春号、特集は「それぞれの椅子物語」 

 

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表紙のサヴィニャックのポスターは、ダンロップのタイヤにフォーカス

した作品だが、逆に今回のテーマ「椅子」の存在が際立って素敵だ。

 

椅子にまつわる「それぞれ」のエピソード。

一つ紹介すると、広島市内の福屋というデパートの8階に、

八丁座」という映画館がある。

 

4DXなど最新式の設備が自慢の映画館ではなく、

昭和の懐かしさを残し、何ともゆったりと映画を鑑賞できる空間。

法被姿のスタッフの方が印象的で、上映前にはスクリーンの前で

映画の簡単な説明をして下さる。

 

途中入場する人にはライトで足元を照らしながら座席まで誘導、

その後はスクリーンに影が映らないよう、低い姿勢で素早く退出する。

飲食の持ち込みもOKなど、きめ細やかな映画館なのだ。

 

その映画館の椅子に関するエピソード。

普通の映画館なら「エグゼクティブシート」として有料でも

おかしくない。

大きくて包み込まれるような座り心地、同じ料金の映画を見るなら

絶対ここに座りたい、と思える「椅子」なのだ。

きっと高価なものに違いない。

館内にずらっと揃えられたその椅子の景色は圧巻、 

なぜそこまでこだわったのか、誕生秘話が語られる。

 

その地域に住んでいなければ、ピンとこない話なのだが、

こんな身近なところに、たくさんの「気づき」がちりばめられていると

教えてくれる一冊。

 

特集以外にも、レストラン、注目の人、過疎地の風景などなど、

「いいもの、ここにあるよ」「忘れてはいけないよ」

ページを開くたび、そんな声が聞こえてくるようだ。

 

新しい広島土産になればいい、そんな気さえする。

 

 

発行・編集 有限会社グリーンブリーズ

www.greenbreeze-h.net/grande

バックナンバー有り。

定価864円(本体価格800円)

年間購読も可能