さらりとな。日々の暮らしで出逢ったアレコレ。

大抵のことは上手くできないけれど、前向きです。

ショーン・タン著「アライバル」

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9月1日発売「Grandeひろしま」の秋号は絵本特集だった。

そこにひろがる絵本の世界にふっと引き込まれて、今、絵本にはまっている。

私の子供の頃とは違い、最近の書店に並ぶのは、立体的だったり、触って感触を

楽しめたりと、趣向をこらしたものも多く豊かだ。 

 

童心に帰れるような絵本も魅力的だが、これは、という衝撃な一冊と

出逢った。Grandeで紹介されていた本で、ショーン・タン作「アライバル」

 

こんなに印象的な絵本は初めてかもしれない。

言葉は一切ない。

セピア色のコマ割りが、まるで白黒フィルムのように、カタカタと音を立てながら

映像となって立ち上がる。

無言の、ただ絵だけが示すその世界に、それこそ言葉では言い表せない自分の感情を

抱えて、どうしたものかとうろたえる。

 

ページの記載はないが、おおよそ120ページ。

一般的な絵本の規格を思うと、この厚みと重さは別格だろう。

 

話は6つに分かれている。言葉での説明が一切ないので、

どのパートも自分の想像力をかきたてながら読み進めるしかない。

迫りくる災難から逃れるため、主人公の男は家族と離れ、移民として新しい土地を

目指す。いつか家族を受け入れるため、先にやってきて住むところを探すのだ。

言葉も通じない未知の世界、いくつもの困難や試練を、出逢った人々や

動物(とおもわれる)の助けを得ながら、なんとか乗り越えていく。

時折混じるユーモアと人情が、絵本全体から受ける衝撃を緩和してくれている。

 

大人にこそ見てほしい一冊、胸に迫る。ぎゅっと。