さらりとな。日々の暮らしで出逢ったアレコレ。

大抵のことは上手くできないけれど、前向きです。

ターシャ・テューダー「今がいちばんいい時よ」

昨年の12月、「食と農の映画祭 2019inひろしま」がサロンシネマで開催された。

その名の通り、食と農に関する様々な映画が上映されとともに、

チケット売り場周辺では野菜や味噌やはちみつなども販売され、

たくさんの人で賑わっていた。

 

その日、日本酒に関する映画を見たかったのだけれど出遅れてしまった。

満員御礼の札を見てあきらめ、次の回に上映される

ターシャ・テューダー 静かな水の物語」を見ることにした。

この映画は2017年4月15日に全国公開されているそうだから見た人も多いかもしれ

ないが、私はこの映画を見るまで、ターシャ・テューダーを知らなかった。

 

ターシャはアメリカの絵本作家。仕事をしながら4人の子供を育ててきた。

「古き良きアメリカ」を彷彿とさせる家に住みたいと、56歳の時に

長男に頼んで建ててもらった家で一人暮らしを始める。

ターシャ・テューダー 静かな水の物語」はその家で一人暮らす彼女の

ドキュメンタリー。映像は真っ白な雪が印象的な冬の映像から始まった。

さっきまでの喧騒は消え、シンとした冬独特の静寂と冷気が伝わってくる

映像に引き込まれていった。

 

ひっそりとたたずむターシャの家の中は、ろうそくの灯り、薪が燃える音、

洗面台の周りを彩る小瓶の数々、仕事で使う絵筆など日々の暮らしが感じられて

心和む。ゆったりとした時間が流れている、朝も晩も。

 

離れて暮らす息子やその家族以外、訪れるものはほとんどなく、彼女は

一人のんびりと自由気ままに絵を書いたり縫物をしたり、お茶の時間を

楽しんでいる。庭仕事は欠かす日がない。特別に作り込むことはせず、

花がそれぞれ、どれも美しく咲くようにと情熱を注ぐ。

バラ、芍薬、名も知らない小さな花々、風に揺れるその景色は本当に美しかった。

 

ここで流れる時間は全部ターシャのもの。そこにあるのは彼女の人生そのもの。

気に入ったものに囲まれて、自由に暮らす。

 

そんな生き方をした彼女の「声」をもっと聴いてみたいと思った。

ターシャはたくさんの絵本と共に「コトバ」も遺している。

 

「今が一番いい時よ」は彼女が89歳の時の書き下ろし。

前二作「思うとおりに歩めばいいのよ」と「楽しみは創り出せるものよ」の

反響が多く、三作目を作ることになったそうだ。 

タイトル通り、八十九歳の今が一番いい時、と語っている。

 

若い頃はやりたくないこともやらなければならなかったし

四人の子供を一人で育てることも大変だったが

それらすべてが全部なくなり、自分の為だけに使うことが出来る今、

自由を満喫している、とターシャはいう。

 

体力が衰えても、若い頃とは違う今を楽しめばいい。

自分の人生を自分の気持ちのまま、素直に生きていける今が一番いい、と。

 

ターシャの手作りの人形やケーキ、そんな紹介も楽しい。

 

一般的な社会通念よりも自分の価値観に従って生きるほうを

選んだからこそ、面白くて充実した人生を歩くことが出来たと

語るターシャ。これからの人生を生きる大切なヒントが

ターシャの本にはたくさん詰まっている。

 

f:id:sararitona:20200206213800j:plain

  

ターシャテューダーの言葉3

 今がいちばんいい時よ」

著者  ターシャ・テューダー

訳者  食野雅子

発行所 株式会社メディアファクトリー